稚苗と成苗の違いについて説明します。米の苗は葉っぱの数で稚成・苗成に分かれます。
稚苗は葉っぱ3枚の時田植えします。成苗は葉っぱ5枚で田植えします。昔は全て5葉の成苗を手植えしていました。
なぜいまは稚苗を植えるのか?
それは田植え機で効率化よく田植えする為です。
稚苗であれば苗箱にたくさん種まきできます。少ない箱数でたくさん苗を植える事ができる。とても効率的ですが、一つ問題が。
苗を大きく育てる事ができない。
苗箱にギュウギュウでタネがまかれるので、3葉以上大きく育てる事が出来なくなります。大きくても4葉が限度。
なので、5月中のまだ寒い時期に田植えすることになります。
これでも、除草剤使って化学肥料使えば大丈夫です。いまは性能の良い除草剤がありますから、問題がありません。
除草剤・化学肥料は問題ありますが、米は育ちます。
除草剤使うので雑草の心配がない。
今の田植えが稚苗で植えられのは除草剤があるからです。稚苗だろうが成苗だろうがほとんどの雑草を退治できます。しかも一発の除草剤の散布で!
この時、米の苗も弱ります。黄色くなります。でも化学肥料があるので大丈夫。元気に復活します。
無農薬ではこれができない!
無農薬・無化学肥料だと、雑草は手取りか機械で除草します。雑草が出てくるたびに、何度となく田んぼに入ります。
だから成苗を植えて雑草に負けないくらい丈夫な苗を育てる必要がある。
無農薬の米作りの9割は除草対策。
昔のように成苗を植えなければ、除草の回数が増えます。寒い時期では苗の育ちも遅いため、早植えするほど草取り回数が増えます。
熱い炎天下、6月、7月に腰をかがめての草取りは正直しんどい。
なので、できるだけ成苗を植えて早く苗を活着(根付かせる)させる。除草回数を少しでも減らす。このための成苗づくりです。
成苗を作るための薄まき
写真のように薄まきすれば、苗が混み合わないため5葉までスクスク育ちます。これで50gの薄い種まきです。普通は100〜150gで倍以上種まきします。
いまと、昔では苗づくりから違うんです。
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