免疫ビタミンLPS(リポポリサッカライド)について紹介します。日本語で糖脂質。
長文になりますがビタミン・ミネラルに匹敵する栄養素ですので、ガマンしてお付き合いください。
免疫のカナメ、マクロファージを活性化する微生物(植物共生菌・土壌菌)で、野菜・果物・穀物・海藻、「植物」であれば何にでも含まれる物質です。
LPSは微生物に含まれる物質で、マクロファージを活性化する
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微生物には「陽性菌」と「陰性菌」があり大別すると、
【陽性菌】乳酸菌・ビフィズス菌・結核菌・ブドウ球菌
【陰性菌】パントエア菌・大腸菌・酢酸菌
この「パントエア菌」の細胞表面についている物質がLPSです。
パントエア菌には必ずLPSが含まれ、植物共生菌であるので、野菜・果物・穀物・海藻などに含まれます。
LPSはマクロファージを活性化する物質です。
マクロファージは白血球の1種で自然免疫をつかさどる。敵は主に3つ。
1.細菌・ウイルスなどの病原菌
2.がん細胞
3.変異したタンパク質・酸化したコレステロール
アメーバ状にクネクネ動き回りながら、身体中の異物を取り込み酵素で分解する。
マクロファージはストレスが一番の弱点。敏感にストレスに反応してしまう特徴があり、ストレスが強まれば強まるほど機能が低下する。
免疫力が下がる・ガン・感染症にかかりやすくなるという事です。
マクロファージには10種類の受容体(TLR)があります。その受容体にくっつく事で免疫機能をパワーアップします。
ちょっと違いますが自動車(がマクロファージ)に例えるとオプションみたいなものですね。パワステとかABS(が活性化物質)。
すでに知られている受容体(TLR)にくっつく免疫活性化物質は
【ベータグルカン】キノコ・海藻に含有
【ペプチドグリカン】乳酸菌に含有
ですが、LPSもこれらの活性化物質と同じ働きをします。しかしすごいのが上記の活性化物質に比べ
免疫活性力が1000倍〜1万倍
である事です。自動車にたとえるとターボ車どころでなく、排気量がパワーアップするという事です。しつこいですか?
腸は第二の脳と言われるほど重要な臓器で、腸管免疫が免疫の6割を占めています。
私たちの腸内には多くの微生物が住み着いています。その数およそ1000兆個。人間の細胞の総数が37兆個ですからその数の多さに驚きます。
腸内細菌の働きは栄養の分解とビタミンの合成です。(ビタミンK・B群)エサは食物繊維。忘れてならないのがLPS。
腸内細菌からもLPSは供給されている
腸内細菌にはパントエア菌の様な陰性菌も住み着いているため、当然LPSも含まれています。
LPSは腸内細菌からも作られていますが、重要なのは口から摂取する事です。
口から小腸にいたる消化管粘膜で免疫が活性化される。
【ガン予】
【アルツハイマー】
【うつ病】
【感染症】
【高血圧】
【糖尿病】
【骨粗しょう症】
【高脂血症】
LPSの病気予防効果はたくさんありますが、特に糖尿病に関して紹介します。
糖尿病の原因は高い血糖値が長く続く事ですが、その原因がタンパク質に糖が結合した終末糖化産物(AGEs)。このAGEsをマクロファージが排除してくれます。
ワカメ・メカブ・昆布・ひじきなど海藻に多く含まれています。
海藻は「うじゃうじゃ菌のいる海な中」で育ちますので、LPSも多いのかも。
米では精米にはほとんど含まれておらず、玄米の亜糊粉層(表皮部分)に含まれています。
亜糊粉層はお米のヌカ層とデンプン層の間、1/100mmくらいのとても薄い膜。
表の金芽米(きんめまい)とは亜糊粉層を残してヌカ層だけを除いたお米。食味は精米、栄養は玄米の様な特殊なお米。
【ペプチドグリカン】乳酸菌を覚えてますか?乳酸菌は免疫活性物質でぬかに含まれているため、玄米で食べれば一石二鳥です。
自動車にパワステとABS(乳酸菌)にターボ(LPS)がついた感じです。くどいですね。
細菌は煮たり焼いたりすれば死にますが、構成成分は摂取できます。
精製された白米・小麦粉からはLPSはあまり摂取できない。玄米や雑穀米、パンならライ麦パンなどブラウン系の食品にLPSは多く含まれている。
表皮の部分にLPSは多いため、精製すると表面の微生物まで削ぎ落とされてしまう。
種子や根・皮の部分にLPSが多いのは、植物もLPSで自分の体を守っているのかもしれません。
農薬・除草剤・化学肥料を使えば共生細菌は減るのでLPSの量も少ない。
植物が関係する環境の中、空気中にもLPSは含まれている。コンクリートばかりの都会より、土や植物の多い田舎や山の中で多く取り込むことができます。
・LPSは植物であれば何にでも存在する。
・自然免疫のカナメ、マクロファージを活性化する。他の物質の1000〜1万倍。
・腸内細菌の中にも多く存在する。
・食べ物から摂取する事が大切。
・ガンや糖尿病・感染症などあらゆる病気を予防する。
・海藻類・玄米の亜糊粉層に多く含まれる。
・農薬・除草剤を使用した土壌にLPSは少ない。
農薬や除草剤、過度な殺菌で微生物を殺し、人間は間違った科学の使い方をしてきた気がします。アトピーや花粉症も腸内細菌が乱れている可能性大ですから。
免疫力アップには無農薬の玄米 ワカメの味噌汁で決まり!
参考図書:「免疫ビタミン」のすごい力 杣 源一郎(香川大学医学部客員教授)ワニブックス
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